約 754,553 件
https://w.atwiki.jp/battleroyale/pages/420.html
抗う者共 くすくすくす。 暗い部屋。ほの明るい蝋燭の灯火に照らされながら、その道化は笑っていた。 ゲームの管理を統括する者、と言っても実際の所、準備が終わってしまえば何がしかの問題が起きない限りは余りする事が無い。 その為、過去──つまりはこれまでのゲームについて夢想する事が男にとっては最大の娯楽だった。 思い出すのは、前回のバトル・ロワイアル。開催された中で一番の数の反逆者を出し、道化の片目を義眼にした男を輩出したゲーム。 あのゲームは本当に面白かった。思わず自らの役割を忘れてしまうほどに。 最も。それで転生により更なる力を得た者達の参加が禁止とされたのは道化にとって少々興冷めだったが。 まぁ、仕方の無い事だろうな、とも思う。 「面白い男でしたね」 顔に傷のある、剣を得意とする赤い髪の男…追い縋る者(チェイサー)だった。 最初はその男は、さんざ殺しまわる殺人者だろう、と道化は思っていたけれども。 だが、全く予想の裏を──道化さえも考え得なかった立ち回りを黒い男はこなした。 その男は、殺すだろうと思っていた者達を守るばかりか、更には脱出に向けて参加者を纏め上げ── 結果として、道化や他の管理役に参加者の討伐令が下る──つまり、主催者側が陥落寸前にまで追い込まれたのはいい思い出だ。 お陰で、思いがけず、殺人者達を主催者側に引き入れる、と言う思いつきを閃いてしまった程だ。 (因みにその時の優勝者は、主催者側が肩入れした殺人鬼だった) 道化の記憶は過去に立ち返っていく。 ── 『やれやれ。貴方のお陰で今回のゲームは大波乱でしたよ。私共にとって、ですが』 『そりゃ良かったじゃねぇか。こんな幸せゲームなんざ終わっちまうにこしたこたぁねぇ』 『ですが、貴方は最早一人。他の皆さんは──おっと、私共の手駒は別ですが──他の管理者と相打ちにほぼ討ち取られてしまった。 王手詰み(チェックメイト)──実に惜しかったですが、残念ながら貴方もここまでです』 にやり、と黒の男は道化を前にしてさえ不敵に笑っていた。片手にはツルギが煌いていた。 投擲された短剣を走りながら叩き落した男がツルギを振り上げ振り下ろし、道化がそれを受け止める。 石畳を蹴り、剣戟剣戟剣戟。一歩も引かぬ。しかして一度も斬られず受け流し切り返す。虚実織り交ぜた剣舞。 『本当にそう思うか?』 『勿論。チンピラ如きに負ける道理はありませんよ』 『じゃあ、お前はここで死ぬな』 『どうしてです?』 『お前が目の前の相手を見間違えてるからさ。俺はチンピラなんぞじゃねぇ──騎士だ』 ── 結局、その闘いに勝利したのは道化だったが。 彼は代償に片目と、それから少なくない手傷を負ったのだ。(勿論、その目以外は全て癒してしまったが) 道化は、男がその片目を貫いた時の言葉を覚えている。 即ち。『俺がここでくたばったとしても手前等は、いずれ死ぬさ。手前等に向けられてる剣は俺達だけじゃなねぇ』と。 『生まれる前からの付き合いだしな』とも。 ──勿論、道化も全土に反体制組織が潜伏している事は、知っている。だが、質実ともに取るに足らない。 愉快じゃないか。と彼は思う。 そんな哀れな有象無象如きが、麗しき女王陛下を口にするのだ。 「ですが、結局の所──貴方は私の片目を潰した『だけ』ですよ」 くくく、と道化は笑う。 この男にしては珍しい事に──それは勝ち誇った勝者の表情だった。 有象無象共にしても、既に数多くの者達が処刑されている。勿論、極限までの苦痛を与えた上で。 所詮はあの男が口にした言葉など、只の世迷言だろう。 「さてさて。此度の喜劇はどのような展開を見せるやら。一人たりとも逃げ出せぬ素敵な素敵な芝居で御座い」 何時もの言葉を呟き、道化は笑った。 戻る
https://w.atwiki.jp/sinoalice_mj/pages/13.html
開催期間 2017/6/16 ~ 6/30 ストーリー 一節「見知ラヌ森」 森は私にとって、母のような存在で あった。折り重なる枝と茂る草花が そよ風に揺蕩い、私を慈しむように 抱きしめてくれる。私にとって 心落ち着く場所は、最早森以外に なかった。「ここはどこ? 早く戻らなくては……」 帰る場所ならある。だが、そこに 居場所と言えるような温もりはない。 この森で意識を取り戻すより 前に行われた行為を思い出し、 背筋が凍る。虚ろな目。 意識とは裏腹に前へと進む足。 長年植え付けられた恐怖心が 自然とそうさせる。 「帰らないと。帰らないと。 帰らないと。帰らないと。」 口から零れる言葉に、意識 は宿っていない。 二節「黒キ獣」 怪しく騒めく茂み。 そこからに染み出してきたのは、 黒き怪物。獣ではないことは明らかだ。 文字通り『染み出してきた』のだから 納得するしかない。 起き抜けの頭が急に鮮明になり、 今がどういった状態なのか、 自覚した。 「私が今いる場所は、元いた世界 とは異なる場所だ」 そう自覚させるには十分過ぎる 情報が並べられていた。 そんなことはどうでもよい。 今はただ、目の前の脅威を 打ち払うのみ。拳を 強く握りしめた……。 三節「憧憬トノ邂逅」 振り返るとそこに居たのは、人間。 ようやく出会えた人間。 私は己の境遇を説明し、 「どこか近くの町へと案内を 頼めないか?」 そう依頼しようとした瞬間であった。 私を射抜いたのは、畏怖と鋭さを 湛えた眼光であった。 そこには、悍ましい怪物と 対峙するような敵意が含まれていた。 「早く、敵意がないことを 伝えなくては……」 あぁ。そうか。先ほど私だって 躊躇わなかったではないか。 納得すると同時に、ようやく 出会えた人間は躊躇せず、 私を殺さんと襲い掛かってきた。 四節「水面ニ映ル異形」 息も絶え絶えにたどり着いた湖畔。 背中にこびりついた脂汗を 洗い流そうと、水面に触れる。 「これが……私、なの?」 自分の声がひどく震えているのが 分かった。自分の歯が、 カタカタと音を立てている。 得体のしれない恐怖が私を包んだ。 恐怖には、慣れている。 それが命の危機に瀕するような 状況に晒されることも珍しくはない。 痛みにも、慣れている。 それに屈し、自分の意思でない行動 をとらされる事もよくあることだ。 だが、こんなことには慣れていない。 自分の容姿がある日突然変る。 そんな怪奇な減少など。 五節「回想スル乙女」 ……混濁する意識。 下卑た男の嬌声が木霊する暗い部屋。 そこが私の生きる場所。 物心つくより前から、 そこが私の帰る家になっていた。 両親の姿は思い出せない。 不自然に甘い香の香りに、 鼻は麻痺し、媚薬交じりの 味のしない食事に舌は麻痺した。 命令に背けば、暴力を振るわれ、 指名を増やすため、媚び続けた。 暗く閉ざされた世界で、 私は生ける傀儡と 化していた。 六節「乙女ノ抱く憧憬」 壊れた人形が処分される叫びが 鼓膜を揺さぶる。 自我を保てず、狂った笑いが 昼夜問わず響き渡る。 心が壊れる者が大半を占める環境 において、私がそうならなかったのは 拠り所があったからに他ならない。 どれだけ躰が汚されようとも、 心までは汚せない。 辛いときは決まって不遇な少女が 救われる物語を反芻した。 想いは馳せる。焦がれた憧憬。 叶わなかった夢へと……。 シンデレラ。それが私の憧れであり、 希望の全てであった。 七節「姫トナル決意」 頰を抓る痛みに、 意識が呼び戻される。 痛みは感じる。大丈夫。私はまだ 正気だ。どうせいつも見る悪夢に 違いない。暖かな日差しとともに、 そよぐ柔風が頰を撫ぜる。 覚醒した意識と共に見渡した世界は、 焦がれ続けた物語の世界が 広がっていた……。 神様がいるのであれば、浴びせたい 言葉は罵声だと思っていたが 今日ばかりは違っていた。 どうせ、いつか覚める夢ならば。 叶わなかった夢を叶えよう。 私はいつも夢見ていた姫となるため、 家臣を集めることにした。 八節「姫ガ抱ク想イ」 九節「」 十節「」
https://w.atwiki.jp/iliasion/pages/88.html
ep.37「デートの約束」「見えない部屋」怪談・不思議な話を考察 朗読怪談 1.「デートの約束」 2.「見えない部屋」 参加メンバー Tomo Kimura その他 登録されたタグ Facebook LINE SNS Twitter 「404号室」 『ドラえもん』 『ドラえもん』の最終回 『ハリー・ポッター』シリーズ 『幽幻道士』 う〇こ ごまだんご ひき逃げ イギリス オカメン オカルト カドワラ カドワラのカウンター右端の席 キョンシー サウナ タオル ダニ ドリンクバー ノミの飲み放題 バンドマンに有名な出る旅館 ファンタスティック・ビースト ホテル リツイート ロンドン 交通事故 修善寺石亭 鬼の栖 健康ランド 出会い系 大浴場 彼女 怨念 恋人 改変した話 旅行 水疱瘡 異次元 超能力 霊能力者 魔法使い ⇐PREV NEXT⇒ 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/17841.html
登録日:2010/11/08(月) 15 24 33 更新日:2024/06/08 Sat 05 56 28NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 2005年 R15+ SAW SAWシリーズ アスミック・エース グロ グロ注意 ゲーム サスペンス サリン ジグソウ ダーレン・リン・バウズマン ホラー リー・ワネル 映画 洋画 衝撃のラスト 謎解き 鍵 目覚めると金庫がおいてある部屋 出口の無い館に集められた8人の男女 それぞれのために作られたゲーム ひとりずつ消えていく 外に出られるドアはどこにあるのか? SAWシリーズの第2弾 日本公開は2005年10月29日 【ストーリー】 目覚めたら出口の無い館に閉じ込められていた8人の男女。猟奇殺人犯ジグソウの新しいゲームが始まる。 一方、刑事エリックはジグソウのアジトでジグソウを捕まえる。アジトに有るモニターを観て、エリックは驚愕した。そこに映っていたのは、館でジグソウのゲームをしている息子の姿だったのだ。 動揺するエリックにジグソウは言う、「息子を助けたければ、私とゲームをしよう。」 【登場人物】 ○ジグソウ/ジョン・クレイマー(演:トビン・ベル 吹替:石田太郎) 連続猟奇殺人犯 ○エリック・マシューズ(演:ドニー・ウォルバーグ 吹替:山路和弘) 気性の荒い刑事。ジグソウを捕まえるが… ○ダニエル・マシューズ(演:エリック・ナドセン 吹替:平川大輔) 監禁されたエリックの息子 ○アマンダ・ヤング(演:ショウニー・スミス 吹替:藤貴子) 以前、ジグソウのゲームから生き延びた女性。再び監禁され、ゲームに参加する。 ○ザビエル・チャベス(演:フランキー・G 吹替:乃村健次) 監禁されたマッチョな巨漢。 ○ローラ・ハンター(演:ビヴァリー・ミッチェル 吹替:加納千秋) 監禁された若い女性 ○ジョナス(演:グレン・プラマー 吹替:辻親八) 監禁された黒人男性。脱出の為にメンバーに協調性を求める。 ○オビ・テイト(演:ティム・バード 吹替:彩乃木崇之) 監禁された無口な男性 ○アディソン・コーデイ(演:エマニュエル・ヴォージア 吹替:岡寛恵) 監禁された金髪女性 ○ガス(演:トニー・ナッポ 吹替:宇垣秀成) 監禁された中年男性 ○アリソン・ケリー(演:ディナ・メイヤー 吹替:富本牧子) 殺人鬼ジグソウを追う調査官。エリックの同僚。 ○ダニエル・リッグ(演:リリク・ベント 吹替:谷昌樹) SWAT隊長の黒人警官 ○マイケル・マークス(演:ノーム・ジェンキンス) 冒頭でゲームしてた人。 【ゲームの舞台と内容】 ◆ゲームの被験者…マイケル 舞台…汚くて暗い部屋 ルール…時間内に、右目の中に埋め込まれている鍵を取り出し、首に装着されたバネ式の機械を外す。出来ないとマスク状の機械が前後から頭を挟み、内部のトゲで頭を貫かれる。 ◆被験者…エリック刑事に捕まった犯罪者の男女7人と、エリックの息子 舞台…汚い建物(地下一階付き) ルール…建物内は神経ガスが充満していて、いずれ死ぬ。 3時間経つと出口が開いて脱出することが出来るが、体がガスに耐えられるのは2時間くらいなので、各部屋に仕掛けてあるゲームをクリアして解毒剤を入手するか、金庫の中にある解毒剤を入手して打たなければ死ぬ。 以下は更にその中で個別に提示されたゲーム。 ◆被験者…オビ 舞台…汚い地下のボイラー室 ルール…焼却炉の奥に吊るされた解毒剤をとる。中に入ると扉が閉まり、火がつく。 ◆被験者…ザビエル 舞台…床に穴が開いた部屋 ルール…ドアの向こうに解毒剤が置いてあるので、床の穴の中に落ちている鍵を見つけて開けろ。穴の中には割れた注射器が沢山入っている。 ◆被験者…アディソン? 舞台…小部屋 ルール…ガラスケースの中に立てられた解毒剤入り注射器を、手を入れて取り出せ。手を入れる穴にはカミソリがついている。 ◆被験者…エリック刑事 舞台…ジグソウのアジト ルール…ジグソウと2時間、2人きりで話をする。 エリック刑事、君は落ち着きが無いな。君はただ、2時間座っていれば君の勝ちだ。 そしてストーリーは最高潮へ… やめろおおおおおおおおおお GAME OVER SAW3 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] シンプルでいいんだがローラとアディソンの説明がどっちも当てはまるつかローラの方が金髪度高くね? アディソン…監禁された強気な若い女性、ローラ…監禁された弱気な金髪の若い女性、とかどう? 長い? -- 名無しさん (2013-09-13 00 19 48) 注射器の奴すげぇ痛そうでトラウマ -- 名無しさん (2022-03-21 09 16 44) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/27648.html
【検索用 むひょうしょうしょうしょとゆめみるくすり 登録タグ 2013年 NexTone管理曲 VOCALOID む セカイ系P トミサカ 曲 曲ま 歌愛ユキ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:セカイ系P 作曲:セカイ系P 編曲:セカイ系P イラスト・動画:トミサカ(ニコニコ動画) 唄:歌愛ユキ 曲紹介 曲名:『無表情少女と夢見る薬』(むひょうじょうしょうじょとゆめみるくすり) セカイ系Pの4作目。 AHS生誕祭2013投稿作品。 歌詞 (ピアプロより転載) あぁ同情かい?人はそう偽って泣いた 笑えるとこすら分からず笑う 表情ない人に病患の印を 心の中じゃ愛らしく笑ってたのに 協調ない 人はそう、転がって吐いた 涙は乾いて床に落ちた 「大丈夫?」君はそう、嘲って去った 「僕の代わりに死んでくんない?」 ねぇ どうして、叶わないのに夢を見るのか 意味もないのに どうする? 形だけだよ願いも祈りも 笑う 現実がもう、つまらないからさ 妄想だけが広がっていくわ 脳内都市、ヒロイン気取りの 歪む笑い顔切り刻んでく 暴走する君の遺伝子が 胎内でさ笑って弾ける もうなんだか疲れ果てちゃうよ 自業自得 堕ちる君を 嘲笑う あぁ階段で転ぶ少年を蹴った 心の中すら歪むセカイ 「問題ない!笑え!」表情作って そのまま席すら立たず眠ってな ほら あぁ どうして薬飲んでも眠れないのか 息塞いだら どうかな? 前を向くたび引きずる足元 気にして歩けない もがけ 証明しよう君の本性を 前置き等くだらないことさ 厚顔無恥 下世話な隣人 殴り殺して何が悪いのか 少年はもう大人になってく 老いてかないで 若く痛いのさ 現実はもう遠く過去になる 理想都市に独り嵌った 少年を忘れ一人にも慣れて 涙の中に感情を見る 焦燥も忘れ一人暗い部屋 飛び交う虫に愛着を得る あぁ誰だって泣いてるって あぁ誰だって泣いてるって? あぁ誰だって泣いてるって あぁ僕だって泣いて見せた うまく笑えない この寒いセカイでさ あぁ 現実がもうつまらないならさ 妄想の中浸ればいいのさ 表情すら作れないならさ 嫌いになるのもあたりまえだろ 膨張する理想郷の中 飛び込んだらさ楽になれるかな あーどうしてこんなときにすら 君の顔思い出し 笑う 現実はもうつまらなくないさ 妄想すらむなしいだけだよ 相対する君の表情が 笑顔に変われば救われる あぁなんだか笑えてくるよな 人生ってのも悪くはないよな 「なんだかな」って微笑むあなたと 酷い顔晒して 笑う コメント 追加おつ! -- 名無しさん (2013-12-06 21 38 21) コメ少ない!!もっとのびろー!!! -- 名無しさん (2013-12-16 22 16 55) この曲いいですね!励まされました!! -- 名無しさん (2013-12-16 23 14 49) もっと評価されるべき -- 名無しさん (2014-03-11 20 54 48) この曲大好きです!もっとのびろ!! -- 名無しさん (2014-04-10 21 06 10) 何で人気ないんだー!伸びろ!! -- 涼花 (2014-12-07 08 32 22) おもしろい曲ね -- 名無しさん (2018-09-21 02 57 23) この曲もっと伸びていい!もっと人気なって😭 -- 名無しの雨 (2024-03-17 15 13 11) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/3185.html
暴風のせいでがたがたと不規則に鳴るサッシに目を向ける。カーテンを閉める前に確認した限り、帰宅した夕方にくらべてずいぶん風も雨も強くなっていた。 台風が近づいているせいで天気が不安定になっているらしい。 こういう日には、閉鎖空間には発生して欲しくないと特別強く思ってしまう。 暴風雨の吹き荒れる夜と、あの空間の中の色はとてもよく似ているから尚更。 ああ、でも最近はずいぶん閉鎖空間の発生頻度も規模もおさまってきている。 良い傾向だ。 軽く頭を振って思考を切り替え、数学の予習をしようと教科書とノートをひらいた時、時計がわりに手元においてあった携帯電話が着信を伝えた。 短いメロディが五秒間だけ流れて止まる。メールだ。 閉鎖空間の発生は感知されていないし、そもそも機関からの連絡は電話で来るのが常だったし確実なはず。 涼宮さんがまたなにか思いつきでもしたのだろうか。それとも、彼がなにか悩み事でも相談しようと連絡してきたのか。送信者についてあれこれ考えをめぐらせながら新着メールをひらくと、予期せぬ名前が表示されていた。 発信:長門有希 件名:non title 本文:こんばんは 面食らった。 出会ってから一年以上がたち、それなりに友好的な関係性を築いてきているとは思っている。彼女も、出会った頃とは比較にならないほど喋るようになってきている。 けれど、長門さんはこんな内容の無いメールを寄越すようなひとだったろうか。 いつも部室で静かに本を読み続けている長門さんと、このメールがあまりにも重ならなくて、僕は無意味に携帯電話をとじたりひらいたりした。 ――当たり前だがそんなことをしても疑問が解消されるはずがない。 なにか、言い難いことなのだろうか。具体例なんてひとつも浮かばないけど。 件名:こんばんは 本文:どうされましたか。なにか用事でも? 当たり障りの無い、というか、素直に浮かんできた疑問を尋ねてみる。 一呼吸置いて返ってきたのは、やはりそっけないメールだった。 件名:Re こんばんは 本文:用事は無い ただなんとなく 句読点すらないその文面は、さらに僕を困惑させる。一体どうしたというんだろう。 ヒマ潰しにメールで雑談? 長門さんと僕が? 時間を刻む秒針の音すら忘れて、携帯電話のディスプレイを見つめる。 ざあ、雨音が一際大きくなった。 とにかく、なにか返事をしなければ。 珍しいですね、あなたがこんな時間に必要事項ではないメールとは。 文章を入力しかけた時、カーテン越しでもはっきり分かるくらいの稲光が走り、大きな音が轟き、 「……!」 周囲が闇に包まれた。――落雷による、停電。 蛍光灯もスタンドライトも消え、真っ暗な部屋のなかで手元の携帯電話だけがいやに白い光を放っている。そのあかりを手がかりに窓へ寄り、カーテンの隙間から外を伺ったが、病院などの非常用電源を備えた施設以外はやはり給電が途絶えているらしかった。一面、黒い世界が広がっている。 閉鎖空間でさえ、ここまで暗くはならないだろうと思えるほどの夜の色。 現代社会においてはなかなか見られない光景に圧倒されていると、持ったままだった 携帯電話がメールの着信を知らせた。 件名:non title 本文:そちらも停電している? 長門さんだ。 そういえば、先ほどのメールにまだ返事をしていない。 どうするべきか。しばし迷った結果、僕は携帯電話のメール画面を閉じた。 変わりに電話帳からあるナンバーを呼び出す。 数秒の呼び出し音ののち、通話状態になった。 「もしもし、長門さん」 『……』 「こんばんは。そちらは大丈夫ですか?」 『問題ない』 メールでも電話でも変わらない、簡潔な応対に自然を唇が笑みの形になる。 「それは良かった。僕の住んでいるマンションはけして古いわけではないんですが、こうも風が強い日だとどうしても雨音や風音が気になりますね」 『……』 「台風の影響が一番出るのは明日とニュースではいっていましたが、今夜がヤマかも知れません」 『……』 「ああ、こちらも停電していますよ。真っ暗です。長門さんは大丈夫ですか」 そう口に出してからはじめて、そういえば長門さんもマンションに一人暮らしだったな、と思い出した。 広い、自分以外誰も居ない部屋で、一人夜を過ごす。なにもない夜ならば慣れているだろう。けれど、こんな暴風雨の夜はどうだろうか。まして、落雷で停電してしまった夜なんかは。 『……大丈夫』 その声がかすかに震えたようにきこえるのは、僕の幻聴なんだろう。 「そうですか。正直なところ、僕は少し心細いですよ。やはり普段夜でも明るいのが当たり前な環境に囲まれていると、こういう状態になったときに急に不安になりますね」 『……そう』 「ええ。周りの状況がなにも把握できないというのはとても心もとないです。それで、復旧するまででいいので話相手になっていただけると有り難いのですが、お願いできませんか?」 『かまわない』 「ありがとうございます」 長門さんの声は機械を通していてもいつもどおりの涼やかな声色で、まわりの様子が見えない現状、本当に隣に彼女がいて言葉を交わしているかのような錯覚を覚えた。 ここが僕の部屋で、携帯電話片手に喋っているだけだということは充分理解してはいたけれど。 「それにしても案外長いですね、停電。普通、もっと早く復旧すると思われますが。そうそう、長門さん、アイスクリームが冷凍庫に入っていたりしませんか?」 『わたしは買った記憶は無い。けれど、以前涼宮ハルヒがこの部屋にやってきたときに置いていったものがある可能性はある』 「ああ、でしたら今食べてしまったほうがいいかもしれませんね。停電が長引くようでしたら。――あ、でも移動することが危険なようでしたら、アイスクリームは溶かしてしまったほうが良いですけど」 『視覚情報は少ないが、それくらいの移動なら支障はないと思われる』 「はは、でも自分で言っておいてなんですが、こんな暗闇のなかで手探りでアイスクリームを食べるというのもなかなかシュールな図かも知れませんね」 『それはそれでユニーク』 透明度の高い長門さんの言葉を聞きながら、暗い部屋のなかだというのに僕は目を閉じた。耳に押し付けている携帯電話の光すら消える。反対の耳からは、飽きもせずに雨と風とが暴れ狂う音が入り込んでくる。 瞼の裏に長門さんが浮かんでくるようなこともなく、やっぱり変わらず暗闇だらけだったけれど、なぜだか場違いに安心感を覚えた。
https://w.atwiki.jp/midnightanirowa/pages/114.html
スクラップド・プリンセス ◆PuVQoZWfJc (一体この子に何が、何があったっていうんだ・・・) 彼、マスクド竹之内(以下マスクド)は今一人の少女を背負い当初の目的地である診療所へと向かっていた。 その少女は先程別れた褐色の少女とは違い顔つきや表情から一見して普通に見えた。 だがその印象もすぐに覆されることとなった。マスクドが最初に見かけた時、少女は路上にひとり 呆然と佇んでいたのだ。手には銃器を、もう片方の手には斧とも槍ともつかないものを持っていたのだ。 そして泣きはらしたような、それでいて焦点の定まらない目は何も映さない。 マスクドは初め彼女がイタリア辺りの少女兵かと警戒したが、もし自衛のために人を撃ってしまい忘我状態 に陥っている一般人に過ぎなければ保護してやらねばとも思い、意を決して声をかけたのだ。しかし 「..............................」 少女は何も返さない、違和感に気づき危険を承知で顔の前で手を振り、頬も軽く張って見たが やはり微動だにしない。たまに瞬きをするが体は立っているのが不思議なほどに脱力している。マスクドは 立ったまま気を失っているのかと思いとりあえず手にぶら下げている物を没収してしばらくの間 様子を見ていた。どうやら目を開けたまま失神しているというわけでもない。 「何か恐ろしいものでも見たのか、それとも薬か何かの禁断症状?いや、もっと違う気がするが」 見ていると少女、ヘンリエッタはふらふらと何処かへと向い歩き出す。 驚きながらもう一度声をかけるが反応はなくまるでゾンビのようによたよたと歩き続ける。 その先に何かあるのだろうかと目をやれば闇の中に取り立てて何かが見えるわけでもない、 黙って後を付いていくとヘンリエッタは力尽きるように倒れて小刻みに痙攣するとそれきり立ち上がることはなかった。 慌ててマスクドが駆け寄り顔をライトで照らして見れば、それはひどい形相だった。 この僅かな時間で目は充血しきっており鼻からは血を出して形を保っていないうわ言を呟き続けている。 「じ、.......ゼッっざ.......、ョおっェ......ァ......」 「おい大丈夫か、しっかりしろ!おい!」 ビクンっと体が跳ねて息を長く吐いた瞬間マスクドは彼女が死んだと思ったが、まだ彼女は生にしがみついていた。 文字通り息を絶え絶えにして。マスクドはヘンリエッタの目を閉じさせると発電所から持ってきたトイレットペーパーを ちぎり鼻に詰めてやり、背中におぶう。荷物のせいもあるのだろうか少女の体は重かった。 (こんな小さな子が一体どうやったらここまでになっちまうっつーんだよ!) 時を遡ること覆面の男が通りかかる少し前のことである。二人の人間をゲームから排除し自分の兄妹(フラテッロ)で ある男性、ジョゼッフォ・クローチェを探して彼女は「耳」を澄ましていた。常人よりも優れた聴覚で辺りの音から 危険と安全の双方の見当をつけようとしたのだ。自分以外に周囲に物音を立てる者はいなかったために普段よりも 音が拾いやすかったが災いした。 初めに聞こえたのは爆発音だった。それなりに大きな音だったこともあり方角も絞ることができた。 次いで聞こえたのは不可解な連続した風鳴りとしばらくした後に水音、そして男女のものと思わしき声、 内容まではわからなかったがどちらからも戦闘の気配は既になく、先に爆発音が止んだ方から周りその後 会話が聞こえた方を片付けようと思った時、それは聞こえてしまった。 耳に届いたと言うのが正しいほどに小さな響きだった。気のせいかと思い振り返るがその背中に祭りの ような空気の震えを感じてヘンリエッタはまさかと思った。 確かめようと思い歩いていくと音の方もまた近づいて来る。危うく聞き逃すところだったと新しい声を追っていく。 どうやら誰かが歌っているようで、それは男性のものの様だがよく通る声だった。この危険地帯で高らかに 歌を歌うなど真っ当な神経の持ち主とは思えず、状況の確認へと走る。 そしてその歌が彼女に耳にはっきりと聞こえる所まで来た時、彼女は終わった。 イタリアにいた時は全く知らなかった衝撃、怒声と警告以外では滅多に聞かない男性の大声、それも 歌手のような歌声に未知の感動さえ覚えた。そこまでは良かったのだ。 歌に聞き入るうちに頭の中に急速に靄がかかり、自分の中の多くのものが色を失っていく。 意識が薄れ始めた矢先、頭に激痛が走り言い知れぬ不安に襲われたヘンリエッタは声の聞こえ方がおかしい 事、明滅する視界の中で走馬灯の如く思い出が蘇っては行き過ぎるのを戸惑う。 痛みに意識を一気に引き戻されて思考を巡らせるがしかし今にも霧散しそうだった。 歌は囮で無臭のガスでも撒かれていたのだろうか、自分が罠にはまったと錯覚して慌てて銃を構えて敵を探すが 誰もいない、今いる場所は遮蔽物も何も無くまた人が隠れられるような場所もなかった。 歌そのものが特殊な攻撃である可能性を思い当たり声の主へと駆け出そうとするも足が動かない。 「ジョゼットさん、私、ジョゼットさん、」 自分が身を捨ててでも守らなければならない、ここにはいない人物の名を呼び縋ろうとする。 だが突如頭に見たこともないヒゲを生やした背の高い男の顔が脳裏に浮かび遂にパニックに陥ってしまう。 (誰この人、こんな人知らない、ジョゼさんを思い出さなきゃジョゼさんジョゼさんジョゼさん.........」 見知らぬ男とジョゼの姿が入れ替わり立ち替わりしていく中で痛みは留まらず蹲ると額からはぼたぼたと 地面に汗が滴っていく。 ただの人間なら(この場合身体能力や特異な能力或いはは生態系ではなく被洗脳経験や薬物経験のない事を指す) 歌に魅せられて自我を一時的に失うだけに過ぎないのだが、義体と呼ばれる体を持つヘンリエッタはその体を得た 後に施される処置によって洗脳という現象に対して抗体ともいうべき経験ができたが今それが過剰に 反応してしまっているのだった。 基本的に耐性のない病原菌に罹患した後にその病が治まると体内にその病原菌への抗体ができるものである、 その為再度の発症や早期治療へと繋がっていくのだが、中には人にも因るが耐性ができない事で抗体の 超過剰反応であるアナフィラキシーといった症状を防ぐという側面を見せる者もいる。 しかし少女はどちらでもなかった。予め受けた体の変更と過去を抹消する為に施された大量の投薬措置とそれに伴なう 条件付けと呼ばれる洗脳の「痕」は彼女自身の体が覚えていたのだ。しかもその病は治ってなどおらずむしろ小康状態と 言ったほうが正しい。根治の難しい病を抱えながら生きるのと同じように、その状態を維持したまま今日まで来た ツケが今苦痛を伴って露出し始めていた。 「ぅぅうぅぅぅぅっぐ!おぁっあい、痛い痛イいたいイタいいだイイイいいいぃいぃぃっっ!」 折れた骨を折れた方向にもう一度折ることができず、たん瘤が鏡餅のように重ならないのと同じで洗脳が 解体された訳でもないのに強制的に力づくで洗脳を上書いたりすることはできない。 『身に覚えのある』刺激に脳が今までの記憶を総動員して抗うが、思い出した出来事は使い捨てのように消えて行く。 海辺の思い出、戦いの記憶、訓練の日々、同僚の顔、街の喧騒、公社の人間、自分の名を呼ぶ数々の声。 巻き戻した分だけ消えていく記憶がある地点に差し掛かった時点で速度を落とし逆に痛みが加速する。 (ヘンリエッタ) 自分を呼ぶ声が聞こえて前を向く。ゆっくりとそれも薄れていく。 (おいで、オリオンが綺麗だ) その虚像へ手を伸ばす。 (いこう、ヘンリエッタ) 耳に馴染んだ言葉に後を追おうと歩き出す。 そこでその男の姿は消えて今度こそ完全に立ち尽くすと堰をきったように残りの記憶も移っていき 痛みが感知できなっていくに連れてヘンリエッタと呼ぶ声がひどく他人の声みたいに遠のいていく。 (ヘンリエッタってだれだっけ?ああ、わたしだ、でもわたしってなんでヘンリエッタなんて呼ばれて......) 巻き戻しは止まること無く続く、今度は違う場面、静かな個室で女の人と男の人の声がとても小さな声で聞こえる。 (何にします?名前は)(.........ヘンリエッタ.........) 夢の名残か幻聴のように聞こえた、初めてヘンリエッタとして目覚めた時に誰かが話していたこと。 (そっか、だからヘンリエッタだったんだ、でもねジョゼさん、私、私の、なまえは) 白く暗転したままの視界が漸く色を黒に戻す。黒い部屋、暗い部屋、しないはずの鉄の臭いが何故か鼻につく。 いつの間にか個室は見慣れた屋内の景色へと変わっていた。ずっと長い間、一番長く一緒にいたのに忘れていた顔。 思い出したくなかった光景、赤くて暗い部屋と家族の亡骸、顔、顔、顔、そして。 「あ、あああ、ぁああああああっぁぁあああああぁああああああっ!」 ぶつり、とそこで目ま苦しく巻き戻されて来た記憶が途切れると同時に意識も切断される。 ヘンリエッタは絶叫を挙げるとそのまま動かなくなる。気を失ったのは痛みに耐えられなくなったのか それとも防衛機構が働いたのか、後は倒れることもできないままに表情を凍りつかせてその場にあるだけだった。 そして今に戻る。そんな事があったとは知らないマスクドは少女を背負って思案に暮れていた。 (どうするか、医者がいるとも思えんが病院に行くべきだろうか) 体を病院へと向け歩き出すと脇腹に重い衝撃が伝わる。背負った少女が足で蹴ったようだが意識は戻っておらず、 怪訝に思い他の方角を目指せばやはり蹴られる。 右往左往した結果目的地へ向かうと蹴られずに済むという事が分かったマスクドは道の先に誰かがいるのでは ないかという気になる。もしかしたら無意識の内に近しい者の元へ行こうとしているのかもしれない。 彼はこの先にいる人間に望みを託すような気持ちで足を早めた。 【一日目 E-6 路上 黎明】 【ヘンリエッタ@GUNSLINGER GIRL】 [状態]:疲労(大) 神経衰弱 鼻血 失神 [装備]:TDI クリス・スーパーV "ベクター"ドットサイト付き(15/30)@Angel Beats!、ミネベア M60 “ニューナンブ”(5/5)@現実 [道具]:基本支給品×3、ランダム支給品0~5、久瀬修一の薬、クリス・スーパーVの弾倉×4、ニューナンブの弾丸×10、野田のハルバード@Angel Beats! [思考] 基本:ジョゼさんと合流する 1:意識不明 2:ジョゼさん...... 【マスクド竹之内@魁!!クロマティ高校】 [状態]:健康 疲労(少) [装備]:C4爆弾x7@現実(最初は15個あった) 一つ一つが携帯電話で起爆するタイプ、マスクドが 持っているのはカナンに支給されたうちの予備の携帯電話。 [道具]:基本支給品×1、ランダム支給品0~2(未確認) トイレットペーパー [思考] 基本:仲間と帰る為にますは首輪のタイムリミットを外す。 1:仲間を探しながら診療所へ向かう。 2:殺し合いが起きているかどうか確かめ、可能ならば説得を試みる。 3:この女の子を保護する [備考] ヘンリエッタが起きたときの反応は後の書き手さんにおまかせします。 C4の起爆方法等が明記されてなかったのでこの場を借りて修正させていただきます。 044 嘲笑 投下順に読む 046 誤解~だんぜつ~ 039 メイドインヘブン 時系列順に読む 029 天使~Angel~ 023 doll ヘンリエッタ 047 I Was Born to Love you 017 Behind The Mask マスクド竹之内
https://w.atwiki.jp/910moe/pages/260.html
年下純情攻め×年上淫乱受け 真夜中に携帯の液晶が青白く光って、あの人からの着信を知らせる。 僕はわざと、今起きましたよという声を作って、電話に出る。 もちろん、僕は、この電話が来るのをじっと待っていた。 「――よう、今来れる?」 酒焼けと、その他僕の知りたくないいろんな理由で、かすれた声が僕の名前を呼んだ。 電話の向こうはひどく静かだ。 「どこにいるんですか」 「青山の、いつものホテル」 ああ、俺の家に寄って着替え持ってきて。お前もちゃんとした格好で来いよ。 それからシャーベット食べたい。 「何味が良いんですか」 僕は少しあきれながら、でも子供をなだめすかす様にやさしく、尋ねる。 「びわのシャーベット、なんてね」 彼のためだったら、存在するのかどうかも怪しいびわのシャーベットを、夜が明けるまで探し続ける。 そんな僕の性格をあの人はよく知っているのに、こうやってからかうのだ。 「わかりました。30分で行きます」 鼻にかかった少し眠そうな声が、ぞんざいな口調で部屋番号を告げて、通話は勝手に切れた。 糊が程よく落ちた白いシャツ。まだ封を開けていない買い置きの下着。 それから、途中コンビニで買い込んだあらゆる種類のシャーベットが、袋の中でごろごろと重なっている。 びわのシャーベットなんてあるはずもなくて、僕は仕方なくレモンとマンゴーとオレンジのシャーベットを買った。 告げられた部屋に入ると、あの人はベッドの上で、しわだらけのシーツに包まって眠っていた。 シーツは腰から下を隠していなかった。胸は片方はだけて、鎖骨のくぼみに影が見える。 しっとりと肌理細やかで、触るともしかしたらほのかに汗ばんでいるかもしれない、 なまめかしい足を投げ出して、僕の目に訴える。 片足を腹側にひきつけて曲げ、太ももから尻にかけて引き締まった線を見せ付ける。 その先は、上手くシーツに隠して見せない。 間接照明だけ付いた、オレンジ色に暗い部屋で、濃密な生き物の気配が立ち上っていた。 「起きてください」 すると、乱れた髪の間から、ぎょろりと目玉だけを僕に向けて、少しつぶやく。 「シャーベットは?」 僕は広いベッドの片隅に腰掛けて、目を細めた。 むき出しの足、噛み跡のついた胸を隠すように、シーツを引き上げてやる。 そうするだけで、さっきまで僕を縛り付けていたセックスの残り香が急に薄れて、穏やかな夜の空気が訪れる。 「びわのシャーベットなんて、売ってませんでした」 買って来た三つを見せる。それじゃレモン味がいい、と言うが手を伸ばそうとしない。 「食べさせてよ」 大きな枕を重ねて凭れ、半身を起こす。 一度掛けたシーツがまためくれて、へその下にわだかまった。 僕はそれを見ないようにして、木べらで掬ったシャーベットを口元へ運んだ。 親鳥から餌をもらう雛のように、従順に口をあけて、僕の手からシャーベットを食べるこの人が、いとおしかった。 セックスで嗄れた喉に冷たい感覚が気持ちいいのか、もっととねだって何口か続けて食べる。 「なあ」 不意に僕の手首をつかんで、にやりと不敵な笑みを見せる。 弾みで僕の手から木べらがシャーベットごと、みぞおちの辺りに落ちた。 「お前も、食えよ」 体温と同化して溶け始めたシャーベットをさして、笑う。 僕の後頭部にやさしく、けれど有無を言わさない強さで手を置いて、唇を寄せさせる。 僕は、うやうやしく肌に口付け、脇腹に流れた一滴も余すことなくそれを舐め取った。 舌を這わせると堪えきれないといったように、足をすりあわせた。なんて、淫らで、いじらしい。 「おれを、食べたいとは思わないのか」 僕の髪を乱しながら、熱っぽいささやきを耳元に落とす。 ほんの数十分前まで、淫らに喘いでいただろうその唇が憎らしい。 本当は、すべてをこの目におさめて、この指で触れて、唇で愛したかった。僕だって本当は。 ――この人が他の誰かのものであると、まざまざと見せ付けられる土曜日の深夜。 僕は、僕の知らない誰かとセックスした体からゆっくり離れて、新しいシャツを着せ掛ける。 「だって、あなたは僕だけじゃ、満足できないんでしょう」 甲斐甲斐しく面倒を見るのは、こうしていることで万に一つでも、 この人が僕だけにすべてを許してくれる日が来るかもしれないと、僕が夢見ているからだ。 攻めに尽くしまくるワンコ受と受けの態度に若干引き気味な攻め
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/2828.html
story0…理由なんてない、それが始まりなのだから 『おはようございます……皆さん』 暗い部屋、縛られた両手…。 これは俗に言う誘拐と言う奴なのだろうか。 『まだ皆さんが起きておりませんね…仕方ないですが……』 どこからか男の声が聞こえてきた。 その声は、何かに包まれるような声だった。 言った自分でも意味が分からないが、そういったことなのだ。 『君たちは…自分が特殊な人間だってことは知っていますね』 特殊な人間……そうだ、確か…。 俺は診療所に行って…それでいつの間にか記憶が…。 『君たちの能力が完全に開花した今…やるべき事があります』 やるべき事…一体何なんだそれは。 声を出そうにも、声が出ない。 『君たちにはかるーく…』 『殺し合いをしてもらいます』 「ふざけるな!」 そこで一人が動き出した。 彼女が一体誰だかは分からない。 しかし、なぜ彼女だけ動けるんだ…? 『長谷川芽依…いや、<虚構炎球(ハウリングサン)>と呼べばいいか?』 「どっちでもいい!わたしたちをここからかえして!」 『それは無理な相談だよ…せっかくの機会なんだし』 「だったら……しね!」 彼女の左手には巨大な炎の塊が出来上がっていた。 それが前にいる男に向かって飛んでいく。 その炎が男を包み、炎が消えていく。 「え…なんでおまえ、いきてるんだよ…」 『君たちじゃ僕は倒せないんだよ…だって僕にはこの<幻想創造(イメージクリエイター)>があるんだから』 「いめーじくりえいたー…?」 『そう…僕が思った事を確実に遂行させることができる能力だよ…例えば』 『反逆者には、無残極まりない死を』 その声が終わった瞬間、強烈な風が吹いた。 長谷川…と言っていた彼女は吹き飛ばされる。 そして壁に激突し、磔状態となった。 『簡単に死ねると思うなよ、反逆者』 「い、いや…」 まず現れたのは多くの刃物。 それで彼女を切り裂いていく。 服が裂け、皮膚も裂け、筋肉も裂けている。 それだけでも無残なのに、終わりは来なかった。 次に来るのは多くの蟲だ。 その蟲が彼女の中に入っていく。 中って何だって?…言える訳ないだろう、恐ろしい。 彼女がうめき声と言うのか、そんな声を上げ出した。 中で喰われているんだろう。 正直言ってもう見たくなかった。 『それじゃあ、フィナーレと行こうか』 液体が降りかかる。 それで彼女の服がすべて溶ける。 ……正直言うと僕は目を背けたかった。 しかし、何故か背けれなかった。 見たくない、これから起こっている事が分かっているんだから。 『手から炎を出す魔女は…火炙りの刑だ』 前にいる男が、指でパチンと鳴らす。 その瞬間、彼女の体が燃え上がった。 何やら叫んでいるのが分かるがもうまともな声として聞こえない。 そして、処刑完了と言わんばかりに炎が消え、彼女の体が地に落ちた。 しかしその体は、真っ黒に焦げて墨と同じ状態になっていた。 『こんなことになりたくなかったら…殺し合いをするんだね』 ああ、もう寝てしまいたい。 このまま夢オチでしたなんて言ったらどれだけ楽だろうか。 『細かいルールは携帯電話のメモに書いてある…簡単なルールだけ説明する』 『殺せ、殺せ、殺せ……!心行くまで殺せ!敗者には死を!勝者には褒美を! それでは、これからバトルロワイアルの開始だ!』 僕の意識は完全になくなった。 殺し合いか、なんて面倒なことになったんだか。 本当に、神様を恨むよ。 【長谷川芽依<虚構炎球(ハウリングサン)>】死亡確認 【DOLオリジナルキャラバトルロワイアル2nd(過負荷ロワ) 開幕】 <過負荷紹介> 【虚構炎球(ハウリングサン)】 長谷川芽依の過負荷。 怒りが著点に達した時に彼女の左手から炎が放たれる。 その炎は50万℃に達する。 【幻想創造<イメージクリエイター>】 ◆VxAX.uhVsMの過負荷。 自分で考えたことを全て実現させる能力。 この能力を使うとセリフが「」ではなく『』となる。 名前の元ネタは上条当麻の<幻想殺し(イマジンブレイカー)>
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1214.html
西暦2036年、世界には「神姫」というモノが存在していた。 神姫は、全高15cmの“心”あるフィギュアロボである。 神姫は、つまりは機械であり、人間の被造物である。 そして神姫は、どうしようもなく“女”である。 機械の身である神姫に生殖能力など無く、それはただ創造者に設定されたジェンダー。それ故に、その“心”を支えるアイデンティティは、ただ一つ、“女”である事。 しかし、そうでありながらも、神姫には“それ”を失うという事態が発生しうる。それが、“G・L” G・L ~Gender Less~ 序章 語り始めるとすれば、その平凡な冬の日より 暗い部屋。乱雑な部屋。狭い部屋。谷のような部屋。そこで、溺れるように眠っていた男は、微かな眩しさに身をよじる。視線の先、その光源であるスタンドライトの下には、漆黒の【玉座】に身を預け、身に余るほどの大きさの洋書を器用に捲っている人形の姿。それは神姫。素体は忍者型フブキ。だがその黒い肢体には白の幾何学模様が際立つように施され、そして頭部を彩るのは、散りばめるような紫銀。 「・・・あら、起きたの? 悪いわね。まだ早いのに」 「・・・。今日は・・“女言葉”なんですね」 「“男言葉”はたまによ。どちらにしろ酔狂と言えば酔狂ね」 違和感。 その男-八木義人がまだ眠そうに身を起こすと、神姫は本を閉じ、そして、笑う。 「ふふっ、あなた、早く顔洗ってきなさいよ。よだれ、それに髭。おまけに服も昨日のまんま」 「・・・はい・・・」 脱衣、白衣。脱衣、上衣。 「どうせならシャワー浴びてきなさいよ。幾ら寝不足でも、少しはマシになるんじゃない?」 「・・・貴女は、いつも朝から元気でいいですね。“眠らない”のですから仕方ないのかも知れませんが」 違和感。 「こら、貴女なんて呼ばないの! あたしを呼ぶ時はアニー、もしくはアニーちゃん、でしょ?」 「・・そうでしたね、すみません。所で、下も脱ぐのであっち向いていて下さい」 脱衣、下衣。 「別に良いじゃない。“同姓でもある”んだし」 「同性でも異性でも、アニーさんの覗き方はセクハラ臭いんですよ」 「じゃああたしのハダカも見る? 胸の形には自信あるけれど、“この胸の中、からっぽ”だから感触は悪いかも知れないけどさ」 「とりあえず“自分と同じもの”が付いている人を脱がす趣味はありません」 違和感、違和感、違和感。 水音、流音。 「ホント、つれないわよねえ。なんつって」 言いながらアニーは【玉座】を操作する。【玉座】は音もなく浮き上がり、本棚の前へ。先程まで読んでいた洋書を戻すと、今度はかいがいしく(?)義人の脱いだ衣類を集め始める。洗濯機の前まで運ぶと、バスルームから彼が話しかけて来る。 「けれど、アニーさんも毎晩飽きませんね。情報なんて、“ネットワーク上で幾らでも手に入る”でしょうに」 「あっちは大体の事しかないし、まとまってもいないのよ。結局本の方が役に立つわね。そんな言うならあなたも買わなければいいじゃない、こんなに」 「それは殆ど、父のお下がりですよ。アニーさんの“先代のマスター”でもある・・」 「ああ、仙司のね。彼とはホント、短かったわよねえ」 「まあ、お陰で、アニーさんが僕を“次のマスターに選んでくれた”のでこの医院も保っているんですけれど。僕には経営手腕無いし、正直、小梅さんと2人だったらどうなっていた事やら」 「ってこの八木医院が傾いた事自体、仙司が死んじゃったからじゃないのよ!!」 「ああ、それもそうでした」 「全く、仙司ったら名医だなんて言うから楽させてくれるかと思いきや、こんなお荷物とついでに赤字帳簿まで置いてくんだから」 「・・・というか、それでは“マスターではなくパトロン”じゃないですか」 「う!? そりゃあまあ、前の前の浩平には【ビテンヤシャ】の改造やらせたりさ、その前の綾ちゃんには【だいじなところ】作らせたりとかしたけれども、あたしがあの子達を慕ってたのもホントよ? あ、でもやっぱりアレは処女に作らせるべきじゃなかったかも。ちょっと造形甘いのよね~」 「誰もそんな事聞いていません」 「ちっ、誤魔化せないか」 違和感、違和感、違和感、違和感。 「あれ? 準備してくれたんですか?」 湯上がりでバスタオル一枚の義人は、コーヒーと朝食が並んでいたテーブルに驚いた。料理は普段義人の管轄。味付けに文句を言うだけのアニーは普段そんなことはしない。 ではそのアニーはと言うと、何故か神妙な顔つきで彼を見つめている。手には身に余る大きさの、焼きたてのトースト。 「いや、それがね、もう来ちゃったのよ、小梅ちゃん」 「え・・ですがまだ朝4時・・・」 「センセー! はやく医院開けましょうよ~!」 彼の言葉を遮る、ドアの向こう―邸宅の医院側出口からの明るい声。未だ闇に沈む冬の暗い朝の中、篠田小梅は既に看護服を来て、小さな医院を開けるのを待ち勇んでいた。 「・・・どうして、いつも早く来るんでしょうね、あの子は」 「そう言う訳で早く着替えて突っ込んじゃいなさいコレ」 「・・・はい」 「・・・さて、今日も無駄に慌ただしくなりそうね」 “G・L《Gender Less》”、それは、それはMMSの“心”に内在する根元的なバグ。“女”の消失、アイデンティティの崩壊。発症者の多くはそのまま“心”の崩壊、機能停止。・・・しかし。 「ほら、さっさと支度なさい! 鍵はこっちよ」 「すみませんね、いつも迷惑かけてばかりで」 「そう思うなら恩返しなさいよ」 「そうなると・・・やはりアニーさんのその捻じ曲がった性格やら“性別”やらを直すべきでしょうか?」 「言うわねえ、義人のクセに」 「だって、不便でしょう? どっちつかずなんてものは」 それでも生き残るモノは存在する。 其の名前、アニー・“ザ・ファナティック”其は異端、其は異常。其はG・L《Gender Less》、その最初の発症者、最初の克服者。 「・・・あたしは、どっちだっていいのよ」 其は、“中性”。 目次へ